■タンチョウさんとの出会い
初めてわたしが丹頂さん(旅の宿「六花」のご主人と奥様が敬意を表して「丹頂さん」と言っているのでわたしもこのように呼んでいます)を見たのは、かれこれ15年前。1回目の釧路湿原旅行最終日でのことでした。帰り支度をしていると宿のご主人が、「来てごらん。丹頂さんがいるよ」と教えてくれました。線路向この畑につがいの丹頂さんがいるではありませんか。どうやら畑の中にえさを見つけにやって来ていました。「わあ!」。急いでカメラを用意しようと必死になって準備したのですが、タイミングを逃してしまったのです。人間欲を出してはいけませんね。今回は姿が見れただけでよしとしよう。次回は必ず!と心に決め、釧路を後にしました。でもこのときの光景は今でも頭の中にしっかりと焼きついています。その姿は愛しいくらい美しいものでした。
2回目の出会いは、釧路湿原の大きな道路の中を車で通ったとき。遠くに丹頂さんの群れがありました。あまりにたくさんいたので少し興奮。でもこのときも遠くから眺めるだけでした。うまくいかないもんだ。自然の中では、なかなか丹頂さんに出会うケースは難しいです。でも中には、冬の間地元の方が個人で餌付けをしているところもあり、そこに行けば丹頂さんに出会うことが可能です。また、ネイチャーセンターや丹頂鶴自然公園、釧路博物館などを訪ねるのもいいようです。
3度目は、丹頂鶴自然公園で。ここは野生の丹頂さんではないのでちょっと残念ですが。しかし、間近で見ることができるので丹頂さんの姿を知るにはいいかもしれません。
4度目は冬。またまた「六花」での出来事。宿の窓の下を丹頂さんが歩いて?いるではないですか。「え〜?何でこんな近くを」半信半疑で覗いてみるとやはり丹頂さんです。宿のご主人に聞いてみると、実は怪我をしている丹頂さんを保護しているとか。それ以来勝手に棲みついてしまったらしいのです。それからしばらくのこと、今度は線路向こうの畑に丹頂さんが3羽来ていました。冬の間はよく餌を食べにやってくるのだそうです。それにしても真っ白な雪の中(しかも吹雪)に、なんて素敵な光景なんでしょう。丹頂さんはかなり長い間その場にいました。
次の朝、また昨日の丹頂さんが餌を食べに来ていました。すぐそばには、SL列車「ノロッコ号」が通る線路があります。この湿原では、丹頂さんを保護するため、列車は注意して通ります。3羽の丹頂さんがだんだん線路に近づいて来るので「大丈夫かしら」ちょっと心配。と思っていた矢先、「ピ〜!!」という大きな列車の汽笛が。なななんと、丹頂さんが線路を横切っていたのです。列車がゆっくりと速度を落としついには止まってしまいました。「ピ〜!!」再び汽笛が。それでもぜんぜん平気の丹頂さん。よく見ると、あの宿に居ついてしまった丹頂さんでした。「はあ〜」ゆっくりゆっくり移動し、線路を横切って行きました。「気をつけてね」。こんな光景が見られる冬の「六花」また行きたいな。 |