9月17日≪釧路に旅立つ≫
連休だったので飛行機は最終便になってしまった。それでも運賃を安く出来たのでうれしい。飛行機代はばかにならないからだ。ほんとうに高いよ。さすが連休とあって羽田は観光客でごった返していたし、なにやら別の便にオーバーブッキングがあったらしく「お客さまの中で、次の便に変更してくれた方には10000円または7500マイルを差し上げます」などとアナウンスが流れていた。あ〜我々の乗る飛行機なら代わるのになあ。などとどうしようもないことを考えていた。
機内の中には、JALの各協賛店のレストランやショップでディスカウントや優待が受けられるパスが置いてある。こういうのはせっかくだから利用しないとね。10月5日まで利用できるが搭乗した本人のみ有効だ。
最終便なので宿に着いたのは7時半。宿の夕飯は6時からなのに、それでも我々のために夕飯を用意して待っていてくださった。おかげ様でお料理は温かいし美味しくいただくことができた。感謝です(^0^)。
9月18日≪温根内から湿原展望台≫
かや沼から釧網本線で釧路まで。釧路駅でおにぎりを4個買った。青菜、ネギ味噌、五目、葉唐辛子、1個70円ぐらいだったかあまり定かではないが美味しい。今回初めて買った店だが次回もお昼のお弁当はここにしようっと。
釧路駅からバスで温根内まで向かう。乗客なんてほとんどいない。これでやっていけるんだろうか。ちょっと心配になる。利用者がいないと廃止になるかもしれない。それではこちらが困る。湿原を歩くことを目的とした我々には絶対必要だからだ。車で来ると、車のあるところまで戻らなくてはならないので、湿原のA地点からB地点、C地点まで歩きたい我々には不便なのだ。だから絶対バスか電車を利用する。頑張って運用してもらいたい。
温根内のビジターセンターはもう何度も来ている。今年はこれで3回目。今回はセンターの中に入らずすぐに木道に入った。もう夏も終わってしまったので花はもう見られないなあとあきらめていたがそんなことはない。結構咲いていた。花の名前がわからないのが悲しい(^^;)。もっと勉強せねば。秋の湿原も素敵だ。夏より私は秋が好きだ。湿原が枯れていく色のなんて素晴らしいこと!秋の紅葉とまではいかないけど、カメラのレンズを通して見てると、たくさんの色があることがわかる。
    
    
今回思ったこと。自然の中の昆虫ってだいたいが共通した色を持っている。トンボ、ハエ、コガネムシ、バッタなど。からだの一部にある光った部分。ほとんどがエメラルドグリーンのような色を持っている。昆虫に詳しいわけではないのでそんなことはないと専門の人に怒られるかも知れないが、ふとそう思ったのものだから。
    
湿原の中に赤い実を発見。恐らくヒメカイウ(写真下)という植物だろうと思う。真っ赤に熟したその実はフルーツのようだがなんだか毒を持っていそうに見えた。
    
しばらく行くと休憩場所があったのでお昼にすることに。釧路駅で買ったおにぎりを相方と二人で半分づつ分け合った(どれも食べてみたかったので)。「飲み物は伊右衛門、おかずは風だよ」と相方を納得させる。
食べ終わったあと、二人のおばちゃんたちが写真取ってあげようかと声をかけてきた。普段は二人の写真なんて撮らないけど、まあたまにはいいかとお願いすることに。お返しにおばちゃんたちも取ってあげることに。別れぎわに「じゃあ元気でね。さよなら」。「お気をつけて」。「はい。ありがとう」。と挨拶しただけだけれど気さくでおもしろいおばちゃんたちだった。
木道が終わると温根内と湿原展望台に行く道に分かれている。温根内のほうに行ったら元に戻ってしまうので湿原展望台のほうへ歩いていく。ここからは土の道。台風の影響でかなり木や植物がやられていた。日陰は少し湿っていたし。しばらく歩いていると「あっ」と思った瞬間、ひるんだ。思わず、「きゃっ」っと声をあげていた。そこにはとぐろを巻いた蛇がいたのだ。私の声に蛇のほうも一瞬びっくりしたように見えた。「あ〜びっくりした」よそ見していたらどうなっていたか・・・こんなところで蛇にかまれたらしゃれにもならない。ああそういえば自分のことについて、湿原で死ねたらいいって書いてたんだっけ。でも今はまだその時期じゃない!!
   
40分(ゆっくりあるけば1時間くらいです)ほど歩いたところで、やっと湿原展望台へ行く道に出た。平たんな道を歩いてきたがここからは上りになる。再び木道。やはり体力不足のせいか上りはきつい。こんなんで心臓ばくばくなんてほんとに情けない(^^;)。
ちょっとのぼったところで鳥の声がする。どこにいるのか全く発見できないが、あたりをきょろきょろ探していると頭上に可愛らしい木の実(写真下)がなっていた。風に揺られてまるでイヤリングのようにきらきらと。風が止んだのを見計らって撮影。これがなかなか難しい。簡単には取らせてくれないのだ。
しばらく行くとつり橋に出た。つり橋といっても高さ50センチくらいの小さなつり橋。子供がきゃっきゃとはしゃぎながら渡っていた。つり橋を渡りきったところでまた急な上り坂。ここもきつい。やっとの思いでようやく終点の湿原展望台に到着した。
   
9月18日≪鶴見台≫
タクシーで湿原展望台からコッタロ湿原を抜け、塘路に出ることにした。途中、鶴見台に寄ってみた。冬の間は丹頂さんたちが餌を食べにたくさん集まって来るところだ。この時期少ないのはわかっていたがもしかしたらと思い行ってみた。案の定1羽だけ。それでも見ているだけで心がなごむ。そう思ったとき、突然頭上を2羽のつがいが通り過ぎた。ちょうど我々の頭の上を後ろから飛んできたのだった。「すご〜い」。優雅で美しい。羽を広げて飛ぶ姿はやはり丹頂さんが一番。一瞬の出来事だった。
  
  
コッタロ湿原に向かう途中、畑の中にも丹頂さんの群れを発見。もっと見ていたかったが、タクシーのメーターも気になるのでやむなく立ち去ることに。こういうとき自家用車が重宝するんだがと勝手なことを言っている。丹頂さんも長くいると警戒するだろうし。車で抜けるとコッタロ湿原もあっという間だった。塘路まで約30分ほど。
塘路駅でコーヒータイム。ちょうどノロッコ号が到着していた。塘路駅の周辺にはコスモスが風に揺れていて、わたしは15年前訪れたときのことをを思い出していた。
9月19日≪冬窓床(ブイマ)と昆布森≫
今日は東京に帰る日だ。朝から雨だったが昼近くには光が差してきた。飛行機の時間までだいぶあるので今まで行ったことがない海岸線へ行くことにした。知り合いが車で連れて行ってくれたのだ。途中まで行くと、もう霧が発生していて前がだいぶ見えなくなった。釧路にこんな海岸線があるなんて思いもよらなかった。晴れていたらもっといいのよって言っていたが、我々には霧でも素敵に思えた。もう海岸線まで来ると風で木も枯れている。この間の台風でだいぶ倒れたりもしていた。霧の中に木がうっすらと立っていてまるで幻想的な世界だしこんな風景もいい。がけっぷちから海岸線を見下ろすとちょっとくらくらする。眼下には太平洋が広がっていた。今日は幾分波が荒いようだ。
   
   
次に訪れたところは昆布森という漁師町。潮の香りと昆布の香りが混じった健康な空気をからだいっぱいに浴びた。途中来るとき防波堤にカモメが規則正しくずらりと並んでいたのがとてもおかしかった。ここにもかもめが並んでいたが先ほどではない。急に光が差し込んでいい情景だ。シャッターチャンスは逃さずひたすら押しまくった。今の時間は満ち潮で相方は波に足をとられた。いい瞬間。
こんな素敵なところに連れてきてくれてありがとうございました。またいつか訪れてみたいところが増えた。
    
海岸線に沿ってずっと車で走って行くとようやくいつも見慣れた釧路市内に到着。昔炭鉱で栄えた町だ。貨車は今でも残っている。このあたりは釧路でも一等地にあたる。その丘の上の一角に六花亭がある。ここでお茶を飲もうとしたがどうやらいっぱいで入れなかった。そうだ今日は日曜日なのだ。お土産だけ買って別のところでお茶をした。といってもこちらも展望レストランで釧路の港が一面に見渡せてとてもいい場所だ。お茶を飲んだ後知り合いと別れて、我々は飛行機の時間まで食事を楽しんだ。
今回の旅も釧路のまた違った面が見れてよかった。タクシーの運転手さんが釧路は今が一番いい季節だよと言っていたが本当にそうだ。美味しい寿司屋も教えてくれたが今回は断念。次回は必ず。また釧路が好きになった。
  
  
|